私は、PCによるインプットとアウトプットで、人生を豊かにすることができると思っています。
前々回はその理由を、前回はPC選びの考え方を述べました。
3つ目の本記事ではそれらを踏まえ、用途に応じた具体的なおすすめ機種を紹介します。
公式サイト情報、様々なレビュー、私の使用感を踏まえ、用途ごと1~2機種に厳選しました。前回も述べた通り、家族や友人におすすめするつもりで選定しています。
1. アンダー5万円でPCデビューしたい:Chromebook
予算がないけどPCに触れたい! そんな人におすすめするのが「Lenovo IdeaPad Slim 360」です。
Lenovo ノートパソコン IdeaPad Slim 360 グレー Chromebook マルチタッチ対応14型FHD IPS液晶 (MediaTek MT8183/4GB/64GB/webカメラ/無線LAN)82KN001CJP
こちら、実売4万円を切るChromebookです。
- 14インチでフルHDのIPS液晶を搭載:画面がきれい
- タッチ操作対応:Androidアプリが使いやすい(ChromebookにはAndroidアプリを使える機種がある)
- 2028年までソフト更新できる:長く使える(競合機種は2026年までが多い Chromebookはアップデート期間が決まっている)
- 文書作成くらいならそれなりに使える
以上のように、割り切った用途では実用可能なスペックがあるといえます。CPUやメモリの性能はWindowsだとまともに動かないレベルなのですが、軽快動作なChromebookの良いところが出ています。
私がChromebook未経験なので大手を振って勧められないのがもどかしいですが、アンダー5万円ではこれを選びます。正直、この価格なら私も触ってみたい気持ちがありますね。
一般的な作業を大きなストレスなくこなしたい:14インチスタンダードノート
文書作成などを中心に、無償有償のソフトも入れて遊びたい。そんな人におすすめするのが「Dell Inspiron 14」「Lenovo ThinkPad E14」です。
Lenovo ThinkPad E14 Gen 3(AMD)
機種 | Dell Inspiron 14 | Lenovo ThinkPad E14 |
CPU | Ryzen 7 5700U | Ryzen 5 5625U |
メモリ | 8GB | 8GB |
SSD | 256GB | 256GB |
液晶画面 | 14インチ 1920*1080 | 14インチ 1920*1200 |
重量 | 1.64kg | 1.54kg |
価格 | 63125円 | 80146円 |
どちらも、10万円以内で購入できる14インチのスタンダードノートPCです。両者に共通する長所は
- Ryzen 5または7搭載:文書などの作業ならストレスなくこなせる処理能力
- 14インチディスプレイ:作業のしやすさと可搬性を両立したサイズ
- 1.5kg前後の重量:持ち運びがしんどすぎない重量
です。個人的に、新たにPCを買う大学生は、この水準以上の製品を選んでほしいです。ちなみに、14インチのディスプレイサイズは私の個人的趣向です。
InspironとThinkPadは過去モデルの使用経験があり、どちらも質実剛健でいい製品だと思います。違いは
- Inspiron 14
- スペックに対して安価
- アスペクト比16:10でブラウジングやWordなどに向いたディスプレイ
- ThinkPad E14
- 頑丈な筐体と打ちやすいキーボード
- USB-PD対応ACアダプタが付属(Inspironも対応しているが付属品は専用アダプタ)
あたりが目立ちます。重視するものに応じて選ぶとよいと思います。
クリエイティブ作業に興味がある 出先での作業もしたい:Macbook Air
Web作業、動画、イラスト、DTMなどに興味があって、外出先でもがっつり作業を進めたい。そんな人には「Apple MacBook Air(M1、M2)」です。
最新 Apple MacBook Air ノートパソコン: Apple M1 Chip、13インチ、8GB RAM、256GB SSD、バックライトKeyboard、FaceTime HDカメラ、Touch ID、iPhoneとiPadに対応 – スペースグレイ
2022 13インチMacBook Air: 8コアCPUと10コアGPUを搭載したApple M2チップ, 512GB SSD – スターライト
機種 | MacBook Air 2020 | MacBook Air 2022 |
SoC | M1チップ | M2チップ |
メモリ | 8GB | 8GB |
SSD | 256GB | 256GB |
液晶画面 | 13.3インチ Retina | 13.6インチ Liquid Retina |
重量 | 1.29kg | 1.4kg |
価格 | 134800円 | 178800円 |
動画編集がそこそこできる上にバッテリーが長持ちなノートPCとして、M1、M2 MacBook Airは存在感があります。IntelやAMDのモバイル向けCPUも処理能力は十分ですが、消費電力の観点でまだAppleシリコンにアドバンテージがあります。
MacBook Airの特徴は
- ファンレス:とても静か
- AppleシリコンのCPU、GPU性能:出先でそこそこの動画編集までこなせる
- Apple製品である:仕様が少なく、疑問やトラブルの解決策を探しやすい
- 調整されたディスプレイとスピーカー:コンテンツ制作時にある程度信頼を置ける
- Appleシリコンを搭載したMacである:やりたい分野でソフトが対応しているか要チェック
- 接続できる外部ディスプレイは1枚
あたりです。最後はProモデルとの明確な差異なので一応書いてます。
私自身は、2022年3月末から上位機種のMacBook Pro 14インチ(M1 Pro)を使っており、おおむね満足しています。作業の体感9割はM1 MacBook Airでもこなせる負荷なので、MacBook Airのコストパフォーマンスは高いと感じます。
2020年モデルと2022年モデルのどちらがいいかは、なんともいえないところです。筐体デザインの刷新やチップの性能向上など、変化点はそれなりにあります。ただ、4万円以上の価格差ほど実作業で違いを感じるかと言われると、現時点の情報を見る限り怪しいなと思っています。
新モデルのほうがサポート期間やリセールバリューの面で優れている傾向もあるので、ライフスタイルも加味しつつ選んでみてください。
クリエイティブ作業を腰を据えて行いたい:クリエイティブBTOマシン
デバイスをたくさんつないで理想のデスクトップを作りたい。必要に応じてパーツを交換したい。そんな人はクリエイター向けBTOパソコンを選びましょう。一例として「ドスパラ Magnate MH」「マウスコンピューター DAIV A7」を挙げます。
機種 | Magnate MH | DAIV A7 |
サイズ | ミニタワー | ミドルタワー |
CPU | Intel Core i5-12400 | AMD Ryzen 7 5700X |
GPU | GeForce GTX 1650 | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB | 32GB |
ストレージ | 500GB SSD | 512GB SSD、2TB HDD |
価格 | 109980円 | 214800円 |
それぞれのスペック目安は
- Magnate MH:画質を中程度にすればフルHDでゲームが快適プレイ可能
- DAIV A7:フルHDなら高画質設定でゲームがプレイ可能
だいたいこんなもんです。
ゲーム、動画編集、DTMなどでBTOパソコンを選ぶメリットは
- 接続端子が多い:接続機器が多いので据え置き運用が楽
- 同価格帯のノートPCより高性能:スペック向上やいいモニターなどに投資できる
- パーツの組み合わせが決まっている:自作で発生するパーツの相性問題を気にせず買える
- 基本構成は自作マシンと同様:パーツの増設、交換がしやすい
が挙げられます。近年のノートPCはパーツの増設が限定的、不可能なモデルも多いです。相対的にデスクトップPCのカスタマイズ性が価値を増しているかもしれません。
また、社会様式の変化により、在宅時間を長くすることが容易になりました。家で作業する時間が長くなったなら、自宅のPC環境を快適にする意義も高まりますよね。
おわりに:よいPC選定の一助となれれば幸いです
以上、具体的なモデル紹介でした。それぞれの作業に必要な性能と、価格の相場観がなんとなく分かれば幸いです。
今回、わかりやすさを優先して、紹介モデル数を絞り込んでいます。モニタサイズやメーカー選定など、私の主観で選んだ要素が多々あります。情報の抜けや偏りもあるでしょう。
紹介された機種を基準に、カスタマイズや他社製品との比較をすると尚良いです。高い買い物ですから、最終的には自分が納得して決断することが重要だと感じます。
また、提案や異論があればぜひお訊きしたいので、コメントください。
[…] そこで、情報系の修士かつ基本情報技術者であり、多くのPCに触れてきた私が、【考え方編】【機種編】に分けて、PCの選び方を解説します。家族や親しい友人の相談に乗る時と同じくらい、本心で語ります。 […]