【活き活きできる時間を増やす】書籍レビュー 私とは何か 「個人」から「分人」へ 平野啓一郎

知人に勧められて、平野啓一郎氏の「私とは何か 「個人」から「分人」へ」という本を読みました。

私が読んで重要と感じた内容と、感想を記します。

世間で「本当の自分」と呼ばれがちな概念について、独自の視点から考え方が述べられています。

個人的重要トピックまとめ

この章は、本の内容から重要と感じた点を抽出しており、断定的な表現を使っています。私の脳内で解釈されたものであるため、ニュアンスが変化していることをご容赦ください。

「分人」とは

個人(indivisual)」という概念は、日本では明治ころに西洋から渡来した概念です。

indivisualはもともと「これ以上分けられないもの」という意味合いを持っています。一人ひとりの人間は、社会的にそれ以上分割できないということです。

これに対して、著者は自身の経験や小説の執筆で得られた見解を元に、「分人(divisual)」という単位を提唱しました。

例えば、家族と接している時と、会社の同僚と接しているときで、態度や受け答えの内容が異なるでしょう。そうした、他の人やもの(書籍など)と関わる中で現れる人格を、分人と呼んでいます。

家族との分人、友人や恋人との分人、取引先との分人、コンビニ店員との分人……。分人は無数に存在します。

「本当の自分」という幻想 八方美人は嫌われる

「自分」を形成するものは、普段関わる人やものとの間にできた分人の集合体です。その構成比率や内容が、個性になるわけです。

分人は相手とのコミュニケーションの中で、居心地が良くなるよう分化していきます。

いわゆる「大学デビュー」も、自分の性格が変わったというよりは、周囲にいる人の変化に合わせて、分人の構成比率が変わったと捉えるのが自然でしょう。

裏表のない性格が賞賛される一方、八方美人は嫌われます。八方美人はいわば、「誰に対しても同じ分人で接している」状態です。関わった相手は「自分がないがしろにされている」と感じるため、印象が悪くなります。

ラクに生きるために

  • 変化を悪く捉えない……環境が変われば分人の構成も変化するため
  • 問題を切り分けて考える……「仕事がでうまく行かない自分なんてダメダメだ」ではなく「職場の分人が好きになれない」と解釈する
  • 愛のあり方……「その人といるときの自分(の分人)が好き」なら、相手も自分も愛していける

感想 自分がハッピーな時間を増やして、周りもハッピーにしたい

上記の重要点で触れてないけど興味深いトピックは多々あり、楽しく読めました。2012年刊行の本ですが、「分人」が色濃く現れるVTuberやメタバースの隆盛を考えると、先見の明があって今も読む価値があると感じます。

呼んだ内容を踏まえ、私は以下のことを日々の生活で実践しています。

1. 自分が楽しくいられる時間を増やす

「退屈だ」とか「自分が必要とされていない」とかいう状態が、「もしかしたら自分よりも周囲の環境のせいかもしれない」という視点は重要だと感じました。好きな分人でいられる時間を増やすことができれば、自己肯定感も上がると思います。

何も、今すぐ引っ越したり転職したりしろ、というわけではありません。分人は他者との間にある分人だけでなく、本との分人、音楽との分人、インターネットとの分人など、無数にあります。

ストレスを感じる分人でいる時間が減れば、それは自分が以前より幸福になれたということでしょう。

2. 自分と過ごす周囲の人の分人も、楽しくいられるようにする

あの人といると楽しいから、教室 / クラブに顔を出そうかな」と思った経験が、一度くらいはあるのではないでしょうか。このような心理状態は、当該人物との分人が心地よく、その時間を増やしたいから生じるのだと思います。

私はこれまで自分のことで手一杯なことが多かったので、周囲の機微にも気を配りたいです。

周囲の人間が楽しくいられれば、私もきっと居心地が良いでしょうから。

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